平成21年11月定例会一般質問(要約)

平成21年12月2日(水)

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新型インフルエンザワクチンについて

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Q 新型インフルエンザについては全国的に感染が拡大しており、新型インフルエンザによると思われる死亡者も全国でこれまでに82名発生している。

本県においては、10月28日にインフルエンザ注意報が発令され、その後も感染が拡大し、11月18日、県全域に警報が出された。

国民の大多数に免疫がないことから、本格的な冬の到来を目前に、さらなる感染の拡大も懸念されている。新型インフルエンザのワクチン接種が県内でも10月19日から実施されているが、ワクチンの供給が十分でないことから、医療機関でも対応に苦慮しているとも聞く。そこで新型インフルエンザの現状及びワクチンの問題についてお聞きする。

1)県内における新型インフルエンザの流行状況はどうなっているか。

A(桑島衛生部長) インフルエンザの流行状況については、県内88箇所の医療機関でインフルエンザ患者の受診数を1週間単位で集計するインフルエンザサーベランスによって確認している。

1医療機関の受信者数が、8/3の週に1.44人となり、流行期に入った。その後全国的に少ないレベルで推移していたが、10/19の週11.26人となり注意報を発令。11/19の週に患者数が41.19人と急増し警報を発令した。11/16の週55.31人となり、これは全国6番目の多さ。11/23の週に49.38人と前週に比べ若干減少。

学級閉鎖等の臨時休業を行った学校等からの報告によると、11/16の週の患者数が5,760人、11/23の週が5,722人とやや減少傾向。

2)ワクチンの供給が段階的に行われているとのことだが、県にはどの程度のワクチンが供給されているのか。また、今後の予定は。

A(桑島衛生部長) 国の供給計画によれば、国産ワクチンが5,400万回分、輸入ワクチンが1,100万回分、計6,500万回分が供給される予定。

供給時期については、10月上旬以降、概ね半月に1度、100万回分から600万回分の規模で国内に供給されることとなっている。

長野県の供給状況は、これまでに医療従事者、基礎疾患を有する者、妊婦、幼児の接種分として、合計で約16万回分既に供給されている。今後の予定については、国産ワクチンが約68万回分供給されるものと見込んでおり、輸入ワクチンと合わせると、県内の優先接種者と推定される114万人がワクチン接種を受けられるものと考えている。

3)優先接種対象者から順次ワクチン接種が行われているが、この優先摂取の考え方を伺いたい。また、それぞれの接種時期はどうなるのか。

A(桑島衛生部長) ワクチン接種の目的は、死亡者や重症者を出来るだけ減らすこと、こうした方々の治療に当たる医療従事者を確保することと考えている。一方、ワクチンの供給が半月程度の間隔をおいて少量ずつ行われていることから、重症化しやすいと考えられている方々からの優先接種を国から指示されている。優先接種者の時期については、抱えた人の危険度に応じて10/19~医療従事者、11/9~基礎疾患を有する者・妊婦、12/9~幼児、12/22~小学生低学年、と順次接種が進んでいく予定。

4)ワクチンの供給、接種方法について県民に不安があると思われる。県民の不安を取り除くためにも、県としてワクチン接種についてより積極的な情報提供、広報を行うべきと考えるが如何か?

A(桑島衛生部長) 県民の相談に応じるため、県庁や保健福祉事務所での電話相談に力をいれている。ワクチン接種専用の相談電話を設け、看護師が専門的な相談にあたっている。また、市町村においても相談に応じている。県のホームページ、さらには報道機関にも協力してもらいワクチンの供給状況等、積極的に情報提供してもらっている。今後も積極的に取り組んで行く。

Q 基本的には充分なワクチンを確保することに尽きる。災害時と同様、最悪の事態を想定した準備体制が必要となる場合もあるのではないか?

危機管理上の社会機能システムを確保するためにも、自衛官、警察官、消防士・消防団員等のワクチン接種は、度合いに応じて優先順位の中に組み込まれるべきと思うが、危機管理担当板倉副知事に伺いたい。

A(板倉副知事) 今回のワクチン接種の目的は、死亡者や重症者を出来る限り減らすこと、こうした方々の治療に当たる医療従事者を確保すること。最大の問題は、ワクチンの供給量に限りがあるということ。今回のインフルエンザの場合は、ほとんどの健康な成人は軽症のまま回復しており、自衛官・警察官・消防関係職員であっても健康上の問題が無い場合は、優先接種対象者に含まれないことは、やむを得ないと考える。

今後、鳥インフルエンザのような病原性の高い新型インフルエンザが発生した場合は、県や国の新型インフルエンザ対策行動計画において自衛官・警察官・消防関係職員等、社会機能の維持に従事する方の接種が優先される事が想定されている。

水道施設における小水力発電の導入について

岐阜県では、平成19年度より県営水道用水供給に出力90KWの小水力発電を設置し運転を開始している。浄水場から送水する水道管内に生じた水圧を有効利用し、送水管内に設置した円筒プロペラを水圧で回し発電する仕組みになっており、年間約75万KW時、一般家庭に換算すると208世帯分の電力量を発電しており、これにより環境への効果として年間約285tのCOv(2)削減効果があるとのこと。長野県県営水道施設内には、このような水道管内の水圧を利用して発電を行えるような場所はあるのか?また、発電施設の設置が可能な箇所がある場合、地球温暖化防止の観点から積極的に導入すべきと考えるが、企業局長に伺います。

A(山田公営企業管理者職務執行者) 小水力発電を行うには、適正な水圧が必要。県営水道内では数箇所ある。クリーンエエルギーと水資源の有効利用につながるが、用水の安全確保や設置費用の回収など、導入にあたっていくつかの課題があり、現在水道事業の市町村への移管の検討を進めていることもあるので、今後、そういった事も含め研究してみたい。

Q 企業局で策定を進めている「県営水道事業経営ビジョン」について、この中で、現在県が行っている末端給水事業について、市・町への事業移管を目指しているという内容があるが、そもそもこの事業は、地元市・町からの要望を受けて県営で行ってきた経緯があったと認識している。ここへきて事業移管を目指すその理由は何か、また、事業移管に向けた取り組み状況と今後の予定について伺いたい。用水供給事業においても事業形態の検討を進めていると報道されているが、その状況についても合わせて伺いたい。

A(山田公営企業管理者職務執行者) 長野市・上田市・千曲市の一部・坂城町の3市1町に渡る給水区域持つ末端給水事業は、昭和39年から地元の要望で行ってきたが、生活の根源である水道水を給水する事業は、本来市町村の事業であることが望ましい。現在の状況では、1つの地域に県営水道と市営水道という2つが並存し、料金体系等様々な違いがある。平成21年4月に3市1町と検討会を設置し、検討中。できるだけ早い時期に一定の方向を出したい。

松本市・塩尻市・山形村への用水供給事業についても、水源管理が県、末端給水が地元というあり方は、水源から蛇口までの一体的な安全管理という面から見ても、県として見直す時期に来ている。関係市町村による事業団化等を含め、10月に2市1村と検討会を設置。これも早い時期に結果を出したい。

有害野生鳥獣駆除について

本年9月19日、岐阜県高山市にある乗鞍スカイラインの畳平駐車場にツキノワグマが出没し、行楽客等9名が重軽傷を負った。

クマの生態系も変わりつつある。かつては山中を住処としていたクマだが、今では若いメスグマが集落の傍で生活している、言うなれば人間を恐れない「新世代グマ」である。このクマたちは、今のところ悪さをすることもなく過ごしているようだが、子グマを出産し数が増えた場合はどうなっていくのか?

乗鞍の件と合わせて、明らかにクマの生息域は人里に接近している。

「観光立県長野」としては人身事故を出さないことが重要である。このように活動範囲を拡げつつある新世代クマに対し、被害を最小限に食い止めるためどのような取り組みをお考えか、林務部長に伺いたい。

A(轟林務部長) 近年、集落周辺を生息地とし、人をあまり怖がらない「新世代クマ」の存在が言われるようになってきている。その原因として、燃料革命以降、使われなくなった里山がクマの隠れ場所、住処となる良好環境となった事。耕作放棄地の増加と中山間地域における人の活動の低下(狩猟等の圧力)によって、集落が野生鳥獣に対する圧力でなくなってきたことが指摘されている。県としては、平成19年度第2期特定鳥獣保護管理計画で、山と里との境界の明確化、緩衝帯の整備を進め、被害を防除し狩猟を推進することで、人とクマの緊張感ある共存関係の再構築を図ることとしている。乗鞍のような事故は県内でも起こる可能性があるので、被害を回避するための一層の普及啓発に努めていく。

Q 次に、ニホンジカの被害対策についてお尋ねする。

ニホンジカの繁殖被害は、飯山市富倉地区で、ニホンジカの交通事故が発生するなど、分布域はあきらかに拡大している。さらに、昨今では、亜高山帯にまでニホンジカが進出し、それにより貴重なお花畑が消失しているとも聞く。

ニホンジカの被害は、イノシシと似ており、個体数と被害量が比例するとのことで、捕獲を進め、貴重な自然や農林業が被害を受けないよう取り組むことが重要である。

しかしながら、こうした捕獲作業を支える猟友会の皆さんは、高齢化とともに、減少も著しく、また、そもそも、趣味で狩猟を行っている皆さんの厚意・善意で成り立っている訳で、過大な期待を望むことには限界がある。

こうした中、本県と同じようにシカの被害に苦しむ北海道においては、ワーキンググループによる各種検討を既に始めており、最も有力な方策として、アメリカミネソタ州などの保護区において行われている方策、具体的には、捕獲にかかわる専門家チームを設置し、保護区において、夜間、サイレンサー付きの銃による駆除を進め、大変な効果を挙げているということであった。

北信管内では、三つの森林セラピー基地を整備し、デストネーションキャンペーンもにらみつつ、貴重な自然とともに、地域の様々な資源を活用した観光を進めつつあるが、お花畑も消失するような状況となってしまうのは重大な問題であり、観光地としてのイメージダウンにつながる。

そこで、本県においても、専門家チームを設置し、例えば自然公園など地域を限定して、アメリカで行われているように、夜間、サイレンサー付きの銃によってシカの捕獲を集中的・効率的に実施するというような、抜本的な捕獲方法を検討したらどうかと考える。

捕獲のための夜間の銃の使用は法律で規制されているが、効率的なシカ捕獲のために、必要な法改正等も国に働きかけるべき時機を迎えていると考えるが、林務部長に伺いたい。

A(轟林務部長) ニホンジカの農林業被害は、平成20年度で7億円を超え、農林業被害額全体の40%を占めるほど甚大なものとなっている。生息密度の急激な増加により、自然植生の全滅、森林の防災機能の低下、高山植物帯の破壊、自然災害も発生している。

県の野生鳥獣被害対策本部では、平成20年末までに、生息数の半減を目標に捕獲を目指している。昨年度は、年間捕獲目標8,300頭に対し、14,000頭を超える数を捕獲した。また、メスジカの捕獲も初めて目標数に達した。

亜高山帯のお花畑の被害については、南アルプスの稜線で発生している高山植物帯破壊など自然保護上も、防災上も見過ごすことの出来ない問題となっている。減少・高齢化の著しい現在の狩猟者には、このような山岳地帯での捕獲など、新たな協力をいただくことには限界がある。

アメリカでは、効果的に捕獲が進んでいると聞いているが、サイレンサー付小口径銃や夜間発砲、専門家集団の育成等課題が多い。まず、環境省や有識者と協議していきたい。

Q 次に、イノシシの害についてお伺いします。

県内には長大な猪垣(ししがき)を築き、集落を挙げてイノシシなどの野生鳥獣と戦った痕跡が残っており、県史には、江戸時代、1,700年代前半の享保12年4月のことです。飯山藩の蕨野村(太田地区)から役所に提出した「おどし鉄砲拝借証文」の記録があった。また、同様の史料が蓮村にもあり、飯山地域の山間部では、当時、既にイノシシ、シカなどによる獣害が頻発していたことが分かった。

西日本を中心にイノシシによる農作物への被害が多く発生しており、佐賀県武雄市では、イノシシによる農作物の被害防止やイノシシ肉の特産化に取り組むため、そのものズバリ「いのしし課」が本年4月に設置された。

本県では、「特定鳥獣保護管理計画(イノシシ)」中の「長野県の状況」において、「昭和後期から南部地域の里山を中心に農作物の掘り起こしや踏み荒らし等の農業被害、キノコやタケノコの食害等の林業被害が発生していたが、平成に変わる頃から農業被害が分布の拡大とともに急増し、現在ではニホンジカに次ぐ発生の加害獣となっている。」と記述されている。

また、県下全域を対象地域とし、「被害防除」、「捕獲」、「生息環境の整備」を集落ぐるみで総合的に実施し、イノシシと人との緊張感ある棲み分けを図り、イノシシの地域固体群を安定的に維持しつつ、農林業被害等の軽減を図るとしている。

私の住んでいる飯水地方は、豪雪地帯ということで、昔から「足の短いイノシシは生息できない。」と言われてきた。しかし、最近になって東側の山沿いに姿が見られるようになり、ここ数年では西側にも出没し、米を始めとする農作物に被害を及ぼしている。

しかし、地域関係者によると、今年は有害鳥獣そしてイノシシによる農作物の被害額は少ないと言われる方もおり、些か釈然としない感じである。

平成20年度の現時点でのイノシシによる農作物への被害は、県全体ではここ数年と比べて増加傾向にあるのか減少傾向にあるのか、また、地域ごとの被害額はどの様に推移しているのか。更に北信地方事務所管内の状況はどのようになっているのか。

A(萩原農政部長) 県全体におけるイノシシによる平成20年度の農業被害額は、1億6,300万円余。18年度1億5,200万円、19年度は1億6,800万円と増加してきたものが、わずか減少した。地域別では、下伊那・長野・上伊那地域など被害額が大きくなっているが、20年度は従来被害の大きかったところでは、防除対策の実施等でおさえられたがその反面、今までに被害の見られなかった積雪地域に生息地域が拡大し、被害が増加している。北信地方事務所管内は、平成20年度被害額1400万円、前年度より200万円増、被害は年々増加している。

Q 地元の農家等によれば、稲や果樹といった換金作物については被害に遭った農家は比較的役所等へ連絡しているようだが、自家用のイモ類等は「仕方が無い。」と言うことで被害の連絡がなされないケースが多いと考える。

特定鳥獣保護管理計画(イノシシ)中の「保護管理計画の目標」においては、「科学的・計画的な保護管理によりイノシシと人との緊張感ある棲み分けを図り、「イノシシの地域個体群を安定的に維持しつつ、農林業被害等の軽減を図る。」ことを定めている。イノシシは慎重で罠や檻にかかりにくく、また非常に繁殖力が強く、少し手を緩めるとあっという間に増えてしまう。

特定鳥獣保護管理計画においては「今期計画では当面、被害を減少させることに重点を置く。」とされているが、県では、県内のイノシシの個体数の管理をどのように進めて行くことが適当とお考えか。

A(轟林務部長) イノシシについては、残念ながら個体数を推定する実用的な方法がなく、また、ニホンジカのように被害軽減の目安になる、生息密度等の確定の方法がない。そのため、具体的目標が設定できない。イノシシは非常に繁殖力が高く、近年では、平成18年度に8,000頭捕獲しているにもかかわらず、被害の減少につながっておらず、生息数は増加していると考えられる。ニホンジカと違い山の全てのものを食べつくすことはなく、人里や農地に被害を与える加害固体を捕獲することが最も効果的である。

捕獲できる狩猟者になるには、先ず、県で管轄している狩猟免許と警察で管轄している銃の所持許可の両方を取得しなければならない。両方とも、講習や試験を受け、適正・技能・知識を審査される。

狩猟免許・銃所持許可を取った段階で、銃器の購入も含め、最低20万円以上の費用がかかり、その上、毎年の狩猟者登録・狩猟税・猟友会費・ハンター保険等々、5万円以上かかると思われる。3年毎の更新を義務付けられている、狩猟免許・銃の所持許可ともに、そのたびにまた費用が発生する。

北信猟友会員の50%が60歳以上で、会員の減少と高齢化が進んでおり、猟期にイノシシを求めて山の中を歩くことも、檻や罠にイノシシがかかっているかを見て周るということも大変な重労働である。因みに、檻は1台15万円、罠も2万円程度かかる。

捕獲以外の被害防除対策としては、電気柵の設置や緩衝帯の設置等の方法があるとさているが、これも決して容易なことではなく、夏には数回の下草刈りを行い、秋には枯れ枝等がプラス線について漏電をしないように管理することが必要である。また緩衝帯を設置しても、電気柵と同じように毎年下草刈りが必要である。

以上のことを踏まえると2つの問題点があると思う。

一つ目は、新たな狩猟者をどの様に育成するのか。高齢化が進み、年々会員が減少している中で猟友会員の皆さんの協力を得るには、例えば、「狩猟税の見直しや費用負担の軽減」、「駆除出役の際の報奨」、「捕獲要件の緩和」、「市町村の嘱託職員として協力してもらう」、等の事が考えられるが如何か。

本来狩猟は個人の趣味ではないかと思いますが、公のために御協力くださる狩猟者をどのようにして育成されるのか

A(轟林務部長) 狩猟税は地方税法により、全国一律に設定。費用負担の軽減については、狩猟免許の取得経費や保険料等の支援を一部の市町村で実施しており、県としてもこれらの支援を今後検討する必要がある。駆除出役の際の報奨については、複数の市町村が協力して行う広域捕獲に伴う実施経費に対し市町村と協力し、現在支援を行っている。捕獲要件の緩和いついては、今年度、イノシシ・ニホンジカのワナの要件緩和等を行っている。市町村の嘱託職員の件については、鳥獣被害防止特別措置法の制定により、市町村が鳥獣捕獲員の任用制度を認められたので、新たな捕獲対策が考えられる。狩猟者の育成については、狩猟者は鳥獣捕獲対策の中心であるので狩猟者の育成は大切である。

県民へ狩猟に対する理解を深めるシンポジウムの開催、市町村と猟友会の講習会の支援等、連携して支援していきたい。

二つ目には、捕獲や防除対策を講ずるには、集落が一丸となっての協力体制が必要であると考えております。

イノシシの被害の生じている地域などで、実際に地域ぐるみの対策をどのように進めていくのか、また、市町村・農業関係団体・猟友会、等の組織同士の広域的な連携強化が不可欠と思うが、どのように取り組むのか、お考えをお聞かせ願いたい。

A(轟林務部長) 集落ごとの主体的取り組みが、継続的な対策につながると考えている。そのため、現地課に設置した被害対策チームが集落の整備を図るとともに、防護柵の設置や緩衝帯の整備、維持管理の方法等、県の試験研究機関等の専門家の意見を聞きつつ支援をしている。狩猟者を核に被害農家が集落ぐるみでイノシシ等の捕獲を進める、集落自衛団の組織化へも支援している。広域連携強化が重要。地方事務所毎に地区鳥獣対策管理協議会の活動を通じて、情報の共有、対策づくり機能強化を図っていく。

Q 政権が変わり、国の予算の無駄を洗い出すという目的から行政刷新会議の事業仕分けが行われた。

検討の中で、「里山エリア再生交付金」が廃止と整理されたが、この事業は長野県の間伐を進める造林予算の過半を占めるなど、根幹的な事業であり、こうした事業が廃止されると地域の森林整備が集落を挙げて進みつつある中、極めて遺憾であり、地球温暖化防止吸収源対策の推進にも大きな支障となる。

また、この事業仕分けの対象事業には、「森林・林業・木材産業づくり交付金」や市町村において、クマ、イノシシなどの捕獲檻、電気柵の設置などを行う「鳥獣被害防止総合対策事業」など、地域の森林・林業施策の推進に根幹的に係る事業が含まれており、誠に残念である。

クマ・ニホンジカ・イノシシを例にとって野性鳥獣被害対策についてお伺いしてきたが、私も被害対策にはこれと言った決め手は無く、可能な方策を色々と組み合わせて行うしかないと思う。

どこの自治体も対応に苦慮しているのではないかと思うが、早めに効果的な対策を講じないと、今後、被害は益々増加すると考えられる。県の野生鳥獣被害対策本部長の腰原副知事にご所見を伺いたい。

A(腰原副知事) 県政の重要な課題と認識。かなり詳細に調査されたように思う。信大泉山教授曰く、狩猟期になるとシカは移動し、禁猟区へ入ってしまう。この一事をとっても、即効性のあるものは無い。粘り強い対応しかないと思う。

県下1,300の被害集落がある。各地方事務所に設置された被害対策チームが各集落ごとの対策を行っている。今年度末には、約60%の770集落に体制ができる予定。野生鳥獣に負けない集落づくりを主眼としている。増えすぎた個体調整。ハンターに対する助成について、県として出来ることを検討していく。若者がハンターをめざすように。県下20市町村で防護柵が168km。国の財源がどうなるかわからないが、ぜひ残してもらいたいと思っている。ジビエ振興も取り組んでく。